もう遠い昔の話ですが、不動産の査定を依頼する場合、不動産屋さんに電話したり、お店を訪問して、直接相談していましたが、今ではインターネットで、簡単に査定依頼ができる時代です。
なかでも、一度に複数の不動産業者に依頼できる「一括査定サイト」を利用する人が増えています。そんな「一括査定サイト」を利用するときに、注意をして欲しいことがあります。
そこで今日は「売主様が感じる不安と疑問と悩み「不動産の一括査定サイトの注意点」」について書いてみたいと思います。
複数の不動産会社に依頼できる「一括査定サイト」の注意点
では「一括査定サイト」とは、どのようなものなのでしょう?
通常、複数の不動産会社に査定を依頼する場合、それぞれの不動産会社に、直接連絡をし不動産の詳細を伝えなければなりません。
そこで、「一括査定サイト」を利用すると、入口となるトップページに情報を入力するだけで、自動的に複数の不動産会社へ一括で依頼することができる便利なサイトです。
ただし、便利な反面、注意をしなければならない点があります。
査定金額が高い不動産業者良いとは限りません
「一括査定サイト」を利用して、複数の不動産会社に依頼をした場合に、注意したいのが、査定額が一番高い不動産業者が、必ずしも良いとは限らない、と言うことです。
誰でも、高く売れた方が良いと考えるのは当たり前です。
しかし、「公示価格と基準地価」や「相続税評価額(路線価)」「固定資産税評価額」そして「近隣の成約事例(実勢価格)」の一物四価 を基に算出される査定価格が、不動産業者ごとで、大きくずれることはないからです。
そもそも、査定価格とは、「おおむね3ヶ月あれば売却できるであろうと想定した価格」のことで、言い換えれば、「その価格で必ず売れます」と保証された金額ではないのです。
運が良ければ「いつかは売れるかもしれない金額」です
一括査定依頼を受けた不動産会社は、専任媒介契約の取得を第一に考え競い合って高い査定価格を提示することがあります。
こういったケースでは、「3ヶ月以内に売却できる価格」 を超えているのが実情です。
分かりやすく言えば、「運が良ければいつかは売れるかもしれない価格」 ということです。
複数の不動産会社に、一括で査定を依頼する場合のデメリットは、売却活動期間が長期化する可能性が高くなるということです。
「提示された査定額で必ず売れます!」 と保証してくれない限り、高いからと言って売れる金額とは限らないからです。
そして、売主様には「長期戦を視野に入れた価格」であることを知っていてください。
売却益が買換え先の資金に充当される買換え場合、売却期限が迫ってくると結果的に大幅に値下げをして売却するケースも見受けられます。
ですから、相場よりも高い価格で査定する不動産業者には、本当に注意をして欲しいと思います。
売却する不動産には5つの価格がある
不動産の成約までの流れの中には一般的に下記の5つの価格があります。
◆売却希望価格・・・売主様が希望する価格
◆査定価格・・・・・不動産会社が物件調査を行い「一物四価」を基に算出する価格
◆売出し価格・・・・売主様希望価格と査定価格を基にご相談のうえ決定する価格
◆購入希望価格・・・買主様が購入を希望する価格
◆成約価格・・・・・売主様と買主様が合意して、売買契約が成立する価格
その価格を大小で順番を付けるとしたら、
売主様希望価格 > 売出し価格 > 成約価格 > 査定価格 > 購入希望価格 です。
売出し価格は、売主様の希望が強く反映されるので、査定価格よりも高くなるのが一般的です。
これらを踏まえて、一括査定サイトを利用すれば、ある程度の相場観を養うことができると思います。
そして、良心的で誠実な不動産会社に巡り合えることができると思います。
コメント