宅地建物取引士証(宅建士証)ってご存じですか?
宅建士証は、宅地建物取引士(宅建士)の身分を証明書するものなのですが、これがないと宅建士として業務を行うことができません。
そのため、宅建士証の取扱いについていくつかの義務と義務違反に対する罰則が設けられています。
そこで今日は、「宅地建物取引士証の提示義務と提示義務違反」について書いてみたいと思います。
不動産の売買などに直接かかわる場合に必要になる知識ですので頭の片隅に留めておいてください。
宅建建物取引士証に記載されている内容です
宅建建物取引士証には、次のような項目が記載されています。
1.宅建士の氏名
2.宅建士の住所
3.宅建士の生年月日
4.宅建士の顔写真
5.宅建士の登録番号・登録年月日
6.宅建士証の有効期限年月日
7.登録都道府県の知事氏名と印
8.宅建士証の交付年月日と登録番号
宅地建物取引士証の提示義務
宅地建物取引士証が何のために存在するかというと、必要なときに必要な人に対して見せる(提示する)ことによって、自分は宅地建物取引士であるということを示すためです。
では、どのような場合に地建物取引士証の提示しなければならないのでしょうか?
それは、次の2つの場合です。
1.取引の関係者から請求があったとき
宅地建物取引士は、不動産取引の当事者から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければなりません(宅地建物取引業法第22条の4)。
2.重要事項の説明を行うとき
宅地建物取引士は、不動産取引の当事者に重要事項説明を行なう際には、説明の相手方に対して、宅地建物取引士証を提示しなければなりません(宅地建物取引業法第35条)。
となっています。
提示方法は、宅建士証を胸に着用したり、見えやすい机上に置くなりして、相手方が明確に確認、認識できるようにする必要があります。
ただし、個人情報保護の観点から、提示にあたり「宅地建物取引士証の住所欄にシールを貼ったうえで提示しても差し支えない」ことになっています。
宅地建物取引士証の提示義務違反
宅地建物取引士は、取引の関係者等から請求があったときは、宅建士証を提示しなければならないことを原則としていますが、重要事項説明をするときは、説明をする相手方(顧客等)に対し、宅建士証を必ず提示しなければなりません。
つまり、重要事項説明のときだけは、取引の関係者等から請求がなくても、必ず提示しなければならないのです。
これは、宅地建物取引士の無資格者が重要事項の説明をすることを防止するためです。
ちなみに、重要事項説明の際に宅建士証を提示しなかったときは「10万円以下の過料」に処せられます。
これに対して、前述の1.(取引の関係者から請求があったとき)において、取引の関係者から請求があった場合に宅地建物取引士証を「提示」しなかったとしても、このような罰則はありません。
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