土地に付けられた「地番」と建物に付けられた「住居表示」意外と知られていないその違いと調べ方

土地に付けられた「地番」と建物に付けられた「住居表示」意外と知られていないその違いと調べ方 不動産売買の豆知識

「地番」は、土地に付けられた番号で「住居表示」は建物に振り分けられた番号のことです。

法務局で登記簿などを請求するときや、市役所で固定資産税関係の証明書などを請求するときは「地番」で請求します。

郵便物や宅配物の送付先として普段の生活で使われている住所が「住居表示」になるのですが、この「住居表示」は実施されている地域とそうでない地域があります。

実施されていない地域の住所は「地番」と同じ番号になりますが、実施されている地域に住んでいる人の中には、自分が住んでいる土地の「地番」を知らない人が少なくないようです。

そこで今日は、「土地に付けられた「地番」と建物に付けられた「住居表示」意外と知られていないその違いと調べ方」について書いてみたいと思います。

 

土地の「地番」は、明治時代に土地の整理確認が行われて作成された公図(公の地図)に、1筆ごとの土地に番号を付けたものです。

※「筆(ひつ)」は土地を数えるときの単位のことです。

見た目は一つの土地でも数筆の土地が存在していれば1筆ごとに「地番」が付けられています
ただ、明治時代に付けられた地番ですので当初は公図上でも番号順に並んでいましたが、その後、分筆や合筆を繰り返すことで番号が飛んだり欠番が出たりしているのです。

※「分筆(ぶんぴつ)」とは1筆の土地を2筆以上に分けること
※「合筆(がっぴつ)」とは2筆以上の土地を1筆に合わせること

 

たとえば、1番の街区「1番1」から「1番50」までの地番が存在するとします。
「1番1」の土地を2筆に分筆すると、それぞれの地番は元の「1番1」と1番の街区にない新設の「1番51」になり、隣り合わせの土地でも順番通りではなく飛んだ番号になるのです。

また、隣り合わせの「1番1」「1番2」の土地を合筆すると、その土地の地番は、どちらかの地番になり一方の地番は欠番になるのです。

欠番は今後他の土地に付けられることはありません。

 

また、駐車場や農地など建物が建っていない土地にも地番は付いていますので、住居表示が実施されている地域でも地番は必ずあります

ちなみに、区画整理で換地処分が完了している土地では、地番と住所が一緒になっている地域もあります。

 

建物の「住居表示」とは?

「住居表示(住所)」は、その名のとおり、住居(建物)に割り振られた番号のことです。

たとえば、1つの敷地に土地が何筆あったとしても、そこに建物が1つだけなら住居表示は1つだけになります。

しかし、住居表示が実施されている地域であっても、空き地や農地など建物がない土地には住居表示が付いていません。

 

表示の仕方は、
○○町△△番(街区符号)□□号(住居番号)

もしくは
○○町〇丁目△△番(街区符号)□□号(住居番号)

となっていて原則、規則正しく並んでいます。
街全体を分かりやすく整理することで、郵便物の配達などが効率化されています。

 

ただ、区画が整然とした市街地では実施されていますが、古くからある住宅地などでは住居表示が実施されていないのが実情で、住居表示を実施していない地区の住所は、従来通り「地番」を使用しています。

地番と住所が同じと言うことは、市町村が住居表示を実施しなくても「地番」だけで徴税や登記上の目的が達せられ、住所としての利用に不都合がないと判断されているからです。

 

地番による住所の基本構造

サイトの運営会社「未来家不動産株式会社」が在る土地の地番は
「兵庫県加古川市野口町良野字竹ノ鼻603番1」

住所は
「兵庫県加古川市野口町良野603番地の1です。

 

地番を区分けすると次の5つになります。
①兵庫県 ②加古川市 ③野口町良野 ④字竹ノ鼻 ⑤603番1

①は言うまでもなく「都道府県」で市町村を包括する広域自治体の単位
②も言うまでもなく「市町村」で地方自治体の基本単位
③は「町名」あるいは「大字」になり、市町村の中の一定の地域になります
④は「小字」あるいは「字」になり③の中を更に細かく分けた地域になります
⑤は「地番」で、土地の所在を特定するために1筆ごとに付けられた番号で、親番号と枝番号で登記法務局が管理しています。

 

基本的には「大字+小字」の形で住所は表記されるのですが、最近の住所表記では「小字」は省略され本来なら「野口町良野字竹ノ鼻603番地の1」と表記されるところが「野口町良野603番地の1」と表記されています。

 

住居表示の基本構造

「住居表示」は、建物の位置を「町名」「街区符号」「住居番号」で表記します。
「住居番号」は、その建物の出入口が接したところの基礎番号が使われています。

 

従来、住所は「地番」が使われていましたが、市街化が進むにつれて「地番」が飛んだり欠番になったりしたことで、その土地がどこにあるのかを「地番」だけで特定することが困難になり、昭和37年(1062年)に「住居表示に関する法律」が制定され、住居表示が実施されるようになりました。

「〇〇市〇〇町△△番地の△」と地番で表記されていた住所が、住居表示の実施によって
「〇〇市〇〇何丁目△△番△△号」というように表記されるようになりました。

 

現在でも登記簿上で土地を特定するために地番は重要なため、
登記簿上では「○○市○○町字〇〇 △△番△」という表記がされています。

地番が分からないときは、所有する物件なら、権利証(登記済証)或いは、登記識別情報、固定資産税の納税通知書で確認することができます。
また、法務局に備え置かれている「ブルーマップ」でも調べることができます。

 

地番にある「大字」と「小字(字)」のお話

「大字(おおあざ)」は、
明治時代に市町制度が実施され町村の大合併が行われた際に従前の村の名前を残したものでした。

その後の合併や市制の変更などに伴い、現在は「大字」の表記を廃止している地域も多くありますが、○○市の後に続く町名として残っている地域も少なくありません。

「小字(こあざ)」は「字(あざ)」とも言いますが、「大字」の中を細分化した区画をを表していました。

現在は町名として残っていることは少ないようですが登記簿に記載されている土地の所在や建物の所在地には残っていています。

また、バス停の名称としても見かけることが多いですね。

 

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