土地の売却や購入を検討したときに、「更地」とか「更地渡し」と言う言葉を聞いたことがあると思います。
でも「整地」とか「整地渡し」という言葉は聞いたことがないと思います。
不動産業界で長く仕事をしている私でも「整地渡し」とは言いません。
ほとんどの場合「更地渡し」と言います。
そこで今日は「更地と整地の違い」について書いてみたいと思います。
「更地」よりも「整地」にした方が売りやすくなるので、土地の売却を検討している人には是非参考にして欲しいと思います。
建物の解体工事後は「更地」になりますが、解体工事後の木材やガラス、鉄くずなどの瓦礫が残っていたとしても、建物がなければ「更地」になります。
一般的には、更地の状態から建物を建てるなど有効活用する場合、雑草や瓦礫を取り除き「整地」にすることから始めなければなりません。
更地は整地よりも低価格で整備することができますが、土地を売却する時には、整地の状態まで整えた方が有利に売ることができることが多いです。
権利上の「更地」の定義
建物など土地に定着物がない土地でも「更地」と言えない場合があります。
「更地」は、建物がないだけではなく「借地権」や「賃借権」、「地上権」などの使用収益権が設定されていない土地のことを言います。
「借地権、貸借権」は、土地を貸す側と借りる側との間で発生する権利で、借りる側は貸す側の承諾を得なければ、その権利を譲渡や転貸することは認められません。
「地上権」は、他人の土地において作物や竹林を所有するため、その土地を使用する権利のことを言います。
こういった権利が設定されている土地は「更地」とは言えないのです。
ただし、抵当権は土地や建物などの資産を担保とする権利で土地の使用の制限をする権利ではないため、設定されても「更地」になります。
整地とは?
「整地」は、
土地の上に建物がないという点では「更地」と同じですが、建物を解体した後に、コンクリートや石、木くずやガラス片などを重機や手作業で取り除き、きれいな状態にしてから、重機で踏み固める「転圧作業」を行った土地のことです。
「転圧作業」とは、
タイヤローラーやロードローラーなどの重機を使用して土地を締め固める、柔らかい状態の土の密度を高め、土地を安定させる作業のことです。
そうすることで購入者は土地を整備する必要がないので、そのまま活用することが可能になります。
ただし、整地作業は更地よりもコストがかかるので、複数の解体業者に見積もりを取ることをお勧めします。
解体業者によっては、軽圧作業の後に、ほうきなどで清掃をしてくれるところもありますので、見積もりを依頼するときには、作業内容を確認するようにしてください。
整地で起こりやすいトラブル
解体工事後は、業者が瓦礫を撤去してくれるのがほとんどです。
しかし、なかには瓦礫やコンクリートの塊が残っていて整地とは程遠い状態で済まされてしまうこともあります。
つまり、「整地」についての基準がないのが実情です。
取り除くべきものやその大きさに決まりがないので、解体工事業者の基準と判断で作業が進められてしまい、よってトラブルになりやすいのです。
ですから、整地の仕上がりは解体業者によって異なり様々ですので、
どの状態が「整地」かは解体工事業者の判断になってしまうので、見積りを取るときは、どの範囲までやってもらえるのかを必ず確認することをお勧めします。
売りやすい土地にするための工夫
更地でも整地の状態でも、すぐに売れてしまうような好立地ならいいのですが、早くスムーズに売るためには、きれいな状態の土地にすることをお勧めします。
雑草が生えている土地より、きれいな状態の方が売却しやすいからです。
整地よりも、さらに土地をきれいに見せるための工夫があります。
それが「化粧砂」です。
「化粧砂」は、粗整地をした後に砂や砂利を敷いてきれいに整える方法で、雑草も生えにくく、お手入れも楽なうえに、買主に良い印象を与えることができます。
また、売却価格も高めで設定することも可能になるかもしれません。
整地をするときには、仕上がりについて解体業者と相談してみてください。
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