5つの登記事項証明書「全部事項証明書・現在事項証明書・一部事項証明書・閉鎖事項証明書・登記事項要約書」について

5つの登記事項証明書「全部事項証明書・現在事項証明書・一部事項証明書・閉鎖事項証明書・登記事項要約書」について 不動産売買の豆知識

以前のブログでは、「登記事項証明書」と「登記簿謄本」の違いのタイトルで二つの書類の違いについて書きましたが、

今日は、「登記事項証明書」には5つの種類があることについて書いてみたいと思います。
その5種類は、1.全部事項証明書 2.現在事項証明書 3.一部事項証明書 4.閉鎖事項証明書 5.登記事項要約書 です。

登記事項証明書は不動産を売却するときや、不動産を担保にして融資を受けるときなどに必要になります。用途に応じた証明書を入手してください。

 

全部事項証明書は、対象となる不動産が登記されてから現在に至るまでの、所有権の移転や抵当権の設定、抹消など、全ての記録が記載された証明書です。

ただし、閉鎖された不動産については書かれていません。

 

全部事項証明書は、現在事項証明書や一部事項証明書の内容が含まれていますので、特別な理由で現在事項証明書や一部事項証明書でなければならないとき以外は、この全部事項証明書を取得すれば良いと言うことです。

 

2.現在事項証明書

現在事項証明書は、対象となる不動産の登記の記録のうち、現在効力のある事項のみが記載された証明書です。

全部事項証明書から、現在の登記事項だけを抜き取った内容となっていて、既に抹消された担保権や、以前の所有者に関する情報、効力のない事項は記載されていません。

 

過去の情報が記載されていないので見やすいのが特徴です。

例えば、その不動産が過去に差し押さえられていたことを知られたくない場合などは、現在事項証明書を入手すると良いでしょう。

 

3.一部事項証明書

一部事項証明書は、不動産の一部の情報だけを記載した登記事項証明書で、全部事項証明書から、一部の情報だけを抜き取った内容になっています。

何区何番事項証明書と呼ぶこともあります。

 

例えば、分譲マンションの場合、それぞれの部屋の所有者は異なりますが、全部事項証明書を取得すると全ての所有者の情報が記載され、分譲戸数が多いと100ページ以上になることもあります。

100ページ以上になっても特に問題は有りませんが、不必要な事項の方が多くなるので、必要な部分(部屋)だけの事項を記載した一部事項証明書のほうが便利になるでしょう。

 

4.閉鎖事項証明書

閉鎖事項証明書は、閉鎖登記簿を写した証明書で、全部事項証明書に載っていない、閉鎖された不動産の情報が記載されています。

不動産は、土地を合筆したり建物が滅失したりすると消滅します。
合筆とは、2筆以上の土地を1筆の土地にすることで、逆に、1筆の土地を2筆以上にすることを分筆といいます。

 

閉鎖された不動産の記録は閉鎖登記簿に記載されますが、閉鎖登記簿の記載内容の保存期間は土地登記で50年、建物登記で30年です。

 

5.登記事項要約書(証明書ではありません)

登記事項要約書には、主に現在効力のある事項のみが掲載されています。

現在事項証明書と似ていますが、登記事項要約書は「証明書」ではないので、契約書や重要事項証明書に添付する書類としては有効ではありません。

 

登記情報がコンピュータ化される前は、登記簿を閲覧してメモを取ることができる閲覧制度が有りましたが、登記事項要約書は、このメモに該当するものです。

登記事項要約書には、法務局登記官の職印も発行年月日も記されていません。

 

登記事項証明書の取得方法

登記事項証明書も登記簿謄本も手数料を支払うことで誰でも取得でき、法務局に出向いて取得する方法とオンラインで取得する方法の二つがあります。

 

<法務局に出向いて取得>

登記事項証明書は、法務局で登記事項証明書交付申請書を提出し、手数料を支払えば取得できます。手数料は登記事項証明書1通につき600円です。

法務局窓口での受付時間は平日の8:30~17:15です。

 

<オンライン申請で取得>

登記・供託オンライン申請システムに登録すれば、ネットで登記事項証明書の申請が可能ですので、法務局に出向くより便利です。

また、手数料も安く、オンライン申請して郵送で受け取る場合は1通500円、オンライン申請して近くの法務局窓口で受け取る場合は1通480円です。

オンラインの受付時間は、平日の8:30~21:00です。

 

登記事項証明書には種類があり、それぞれ用途が異なりますが、取引をスムーズに進めるためには、必要な登記事項証明書を取得するようにしてください。

※法務省ホームページ

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