「既存住宅のリフォーム減税制度」固定資産税も減税できます(令和4年度税制改正)

「既存住宅のリフォーム減税制度」固定資産税も減税できます(令和4年度税制改正) 不動産の税金

リフォームを対象にした減税制度について

「リフォーム費用を住宅ローンに組込んで借入れをする場合、住宅ローン減税が利用できますが、既存住宅であるマイホームを単独でリフォームする場合の減税制度ってありますか?」という質問を受けました。

リフォームの費用としては、自己資金を充当する場合もあれば、リフォームローンを借りる場合もあると思いますが、令和4年度の税制改正では「投資型減税」「ローン型減税」の2つが整理統合されました。

 

そこで今日は、「「既存住宅のリフォーム減税制度」固定資産税も減税できます(令和4年度税制改正)」について書いてみたいと思います。

 

減税の対象になるリフォーム工事の内容には
「必須リフォーム」「その他のリフォーム」に分けられます。

必須リフォームを行わず、その他のリフォームだけでは減税の対象にはなりませんので、ご注意ください。

 

<必須のリフォーム>

◆耐震リフォーム
◆バリアフリーリフォーム
◆省エネリフォーム
◆三世帯同居対応化リフォーム
◆長期優良住宅化リフォーム

 

<その他のリフォーム>

◆増築、改築、大規模修繕、大規模な模様替え
◆居室、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、玄関、床や壁のリフォーム

 

必須リフォームごとの工事限度額と最大控除額

必須のリフォームであれば、ローンの借入れの有無に関係なく減税を受けることができます。

リフォーム内容によって限度額が異なりますが控除率はすべて10%になります。

適用期間は令和4年1月1日から令和5年12月31日までです。

ただし、実際にかかったリフォーム費用が対象ではなく国土交通省が定めた「標準的工事費用」で控除額を算出しますので注意してください。

 

必須リフォーム内容 対象工事限度額 最大控除額
耐 震 250万円 62.5万円
バリアフリー 200万円 60万円
省 エ ネ 250万円
(350万円)
62.5万円
(67.5万円)
三世帯同居対応化 250万円 62.5万円
長期優良住宅化①
耐震+省エネ+耐久性工事
500万円
(600万円)
75万円
(80万円)
長期優良住宅化②
耐震or省エネ+耐久性工事
250万円
(350万円)
62.5万円
(67.5万円)

( )内の金額は太陽光発電設置の場合です

 

リフォームの減税制度では、
必須リフォーム対象工事限度額を上限に、その10%が翌年の所得税から控除されます。加えて、必須リフォームの対象工事限度額を超過する部分とその他のリフォーム費用の合計額についても5%が控除されます。

ただし、その他リフォーム費用は、必須工事全体に係る標準的な費用相当額の同額までが控除対象です。

また、控除の対象になるリフォーム費用全体の合計額は「必須リフォーム工事費用」と「その他のリフォーム費用」を合わせて1,000万円までです。

繰り返しますが、この1,000万円は実際にかかった費用ではなくて、国が定めた標準的工事費用として1,000万円までです。

 

標準的な工事費用相当額とは?
国土交通省の告示によって種別や区別地域などで定められた「標準的な工事費用の額」に、対象工事の床面積や設置個所などを掛け算した金額です。

補助金等の交付がある場合は、補助金等の額を控除した後の金額となります。

 

上記表でなぜ耐震工事の最大控除額が62.5万円になるのかを計算します。

①1,000万円(標準的工事費用)のうち
「対象工事限度額」250万円は10%の控除ですので
250万円×10%=25万円

②残りの750万円は5%ですので
750万円×5%=37.5万円

③合計は、25万円+37.5万円=62.5万円になります。

 

◆令和4年度「国土交通省税制改正概要」22ページ(PDFファイル)

 

工事の内容によっては「固定資産税」減税も可能

リフォーム工事の内容によっては所得税と一緒に固定資産税の減税も可能になります。

必須リフォーム工事をおこなった場合、工事を完了してから3か月以内に市区町村に申告していただくと、工事翌年度の固定資産税が減額されます。

 

対象のリフォーム工事と固定資産税の減税割合は

◆耐震・・・・・・・・2分の1
◆バリアフリー・・・・3分の1
◆省エネ・・・・・・・3分の1
◆長期優良住宅化・・・3分の2

利用できる期間は、令和4年1月1日から令和6年3月31日までです。

◆令和4年度「国土交通省税制改正概要」23ページ(PDFファイル)

 

固定資産税減税の申請必要書類

リフォームの内容によって必要書類は異なります。

自治体によって名称が異なる場合がありますので、詳しくは申請する市区町村に確認してください。

 

申請に必要な書類は、

◆固定資産税減額申告書
◆登記事項証明書
◆工事請負契約書
◆増改築等工事証明書
※補助金支給決定通知書等(利用する場合)

◆耐震の場合「住宅耐震改修証明書」
◆バリアフリーの場合「介護保険の被保険者証の写」
◆長期優良住宅化の場合「長期優良住宅の認定通知書の写」

などです。

また、リフォーム工事によっては、国や各自治体による補助金制度があります。

リフォーム内容によっては、数十万円から数百万円の補助金を受けとることができますが、基本的には工事開始前に申請し、期限内に工事完了報告をする必要がありますので、工事着手前に利用できる補助金制度を確認するようにしてください。

 

最後に一言

マイホーム(居住用住宅)を購入する際に、リフォーム費用を10年返済以上の住宅ローンに組入れて借入れし「住宅ローン減税」の適用が受けられれば所得税を10年間減税することができますが、

10年以上も借りない場合や自己資金でリフォームする場合は「既存住宅のリフォーム減税」を利用することになるでしょう。

 

ただし、リフォーム内容は限定されていますので注意してください。そして減税制度を利用する場合は確定申告が必須ですので忘れず申告をしてください。

また、対象になるリフォーム工事であれば「固定資産税の減税」や「補助金」を利用し、お得にリフォームを行うことができますので、工事着手前にリフォーム担当者に確認することをおススメします。

 

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